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簿記論・財務諸表論同時合格!現役が語る学習戦略と本番対策のすべて

税理士試験の会計科目、簿記論と財務諸表論。この2つを一度に合格しようとすると、「自分にできるのかな…」と、不安になる方も多いと思います。私自身、勉強法が分からず悩んだり、モチベーションが続かずに挫けそうになった経験が何度もあります。

ですが、諦めるのはまだ早いです。同時合格を果たした先輩たちの体験を知ることで、具体的なイメージが持てるようになり、自分にも可能性があると感じられるようになりました。

今回ご紹介するのは、働きながら10ヶ月で簿記論と財務諸表論を同時に合格されたAさんの勉強法です。Aさんの学習計画や時間の使い方、試験直前の工夫など、すぐにでも真似できる内容が詰まっていました。

目次

同時合格を狙うなら、学習の始め方がカギ

Aさんが勉強を始めたのは、前年8月の税理士試験が終わった直後。そこから翌年の試験まで、約10ヶ月間で両科目に取り組みました。

合計の学習時間は1,200時間ほど。1日あたりで考えると、平日は2〜3時間、休日は5〜6時間勉強していたそうです。

このように聞くと「そんなに勉強時間を確保できない…」と思う方もいらっしゃるかもしれません。でもAさんは、仕事の合間にスマホで過去問を解いたり、通勤中に音声講義を聞くなど、細かい時間を積み上げていたとのことです。

私も、昼休みに1問だけ問題を解くようにしてから、気持ちが切れずに続けられるようになりました。時間がない方こそ、「スキマ時間」の活用が鍵になってくると感じます。

同時学習は順序と組み合わせが大事

簿記論は仕訳や計算が中心で、財務諸表論は文章で答える理論問題が多いという特徴があります。Aさんは、どちらかを先に極めるのではなく、共通するテーマを軸に学習を進めていました。

例えば、有価証券の問題なら、簿記論で仕訳と計算を学びつつ、財務諸表論ではなぜそういった処理になるのかという背景を一緒に押さえていったそうです。

私はこの話を聞いて、「なるほど」と思いました。同じ内容を別の角度から見ることで、知識がより深まるんですよね。実際にやってみたら、記憶の定着がかなり良くなりました。

Aさんは平日に片方ずつ、月・水・金は簿記論、火・木・土は財務諸表論というふうに交互に勉強して、日曜日は復習と模試の見直しにあてていたとのこと。無理なく両立させるためには、このように計画的なローテーションがとても効果的だと感じます。

計算力は「繰り返し」、理論力は「理解と整理」

簿記論の勉強では、まずは基本問題を繰り返すことが重要とのことでした。Aさんは同じ問題を5回以上解き直して、完全に自動で手が動くくらいにしていたそうです。

特に、精算表の作成や伝票の記入など、基礎的なテーマは毎日のように練習。あえて時間を計って解くことで、スピードと正確さの両方を身につけていたと話してくれました。

一方で財務諸表論は、「どうしてそういう処理になるのか」を自分の言葉で説明できるようにすることがポイントだったそうです。

たとえば「減価償却」についても、単にルールを覚えるのではなく、「なぜその方法を使うのか」「企業のどんな考え方が関係しているのか」といった背景まで理解し、キーワードをノートにまとめていたそうです。

これを読んだ私は、試験のための丸暗記ではなく、仕事でも使える知識を身につける感覚で学ぶことが合格につながるんだと実感しました。

応用問題は「解けない前提」でいい

応用問題を見て「全然分からない…」と焦ること、ありますよね。私もそうでした。でもAさんは、「最初はできなくて当たり前」と割り切って取り組んでいたそうです。

まずは時間をかけて自力で考える。それでも分からなければ解説を読んで、もう一度自分で解く。理解できたら、解ける部分から着実に点を取る練習をしていたといいます。

実際の試験では、応用問題すべてを完璧に解く必要はなく、部分点を積み上げる戦略が有効です。Aさんもその考えで、配点の高い箇所や出題されやすいパターンを優先的に練習していたとのこと。

私も、全問正解を目指すのではなく「取れるところを確実に取る」ことを意識するようになってから、気持ちが楽になりました。

モチベーション維持は「目標」と「相談」

一番の難関は、実はメンタル面かもしれません。忙しい日が続くと「今日はもういいか…」と気持ちが緩んでしまいます。

Aさんは、そういうときほど「なぜ税理士を目指したのか」という目標を思い出すようにしていたそうです。独立開業を視野に入れているという将来のビジョンが、毎日の行動の原動力になっていたとのこと。

また、つまずいたときには一人で悩まず、講師や勉強仲間に相談していたそうです。質問対応サービスやSNSでつながれる仲間がいることで、孤独を感じずに乗り越えられたとのこと。

この話を聞いて、私も「もっと人に頼っていいんだ」と思えました。誰かと励まし合いながら続けることで、合格への道のりは確実に近づくと感じています。


モチベーション維持とスランプ脱却の秘訣

長期学習を支えた精神的な支えと効果的な息抜き法

簿記論と財務諸表論を同時に学ぶというのは、想像以上に長期戦になりますよね。私も経験がありますが、日々の勉強を継続するには、やはり気持ちの維持が本当に大切でした。
実際に合格したAさんも、モチベーション維持が合否を左右する大きなポイントだったと語っていました。

Aさんは、精神的な支えとして「明確な目標を持つこと」と「合格後の具体的なビジョンを描くこと」を大切にしていたそうです。たとえば、税理士になった後、どんな働き方をしたいのか、自分の事務所を開きたいのか、誰の役に立ちたいのかなど、細かくイメージすることを意識していたとのことです。
私自身もそうでしたが、目標をリアルに想像できると、辛い時期でも前向きな気持ちを保ちやすくなります。Aさんも、「しんどい時は、自分の未来を頭に思い浮かべて乗り越えました」と話してくれました。

また、同じ目標を持つ仲間の存在も、精神面でとても大きな支えになったそうです。Aさんは、予備校やSNSで知り合った受験仲間と、勉強の進捗や悩みを共有していたと言います。
「今日ここまでやったよ」と報告し合ったり、「ここの問題難しくない?」と相談したり、時には「もう無理かも」と弱音を吐くこともあったそうです。でも、そのたびに励まし合うことで、「私だけじゃないんだ」と思えて、気持ちが軽くなったそうです。こうした横のつながりは、一人で抱え込まずに済むという意味でも、大きな意味があると感じます。

息抜きの方法についても、とても実用的なお話をしてくれました。Aさんは、「短時間で気分を切り替える工夫」と「週に1回は完全に休む日を作ること」を徹底していたそうです。
具体的には、1時間半〜2時間勉強したら、15分ほどの休憩を入れて、音楽を聴いたり、YouTubeの短い動画を観たり、肩回しや軽いストレッチをしたりして、完全に勉強のことを忘れる時間を作っていたそうです。

私もそうなんですが、長時間ぶっ通しでやると集中力が切れて、逆に効率が下がってしまうんですよね。Aさんも、「休むことが次の集中力に繋がる」と実感したと話していました。

さらに、週に一度は完全にオフにして、勉強道具には一切触れないと決めていたそうです。その日は、友人とランチをしたり、家族と出かけたり、好きな漫画を読んだりと、自分がリラックスできる時間を過ごしていたとのこと。
こうして心と体をリセットすることで、「また明日から頑張ろう」と自然に思えるようになったと語っていました。無理に勉強を詰め込むよりも、こうして楽しみながら続けることが、長期的なモチベーション維持に繋がると強く感じたそうです。


スランプからの脱却!挫折しそうになった時の対処法

どれだけ真剣に取り組んでいても、勉強には必ずスランプが訪れます。私自身も経験がありますが、模試で思うように点が取れなかったり、問題がまったく解けなくなったりすると、「もう無理かも」と感じてしまうこともありました。
Aさんも、例外ではなかったそうです。彼女も何度もスランプに陥ったことがあり、そのたびに「もうダメかもしれない」と思ったと語ってくれました。

そんな時、まずAさんが最初にやったのは、「立ち止まって原因を深く掘り下げること」だったそうです。
「今、うまくいっていないのはなぜ?」と、自分に問いかけてみたそうです。たとえば、単純に勉強時間が足りていないのか、今の学習スタイルが合っていないのか、あるいは体調やメンタルが原因なのかなど、冷静に整理してみることで、「じゃあどうすればいいか」が自然と見えてきたと話していました。

次に実践したのが、「一度、基礎に戻る」という対処法です。応用問題が解けなくても、基礎がしっかり身についていれば、またそこから立て直せるという考え方です。
Aさんは、基本テキストをもう一度じっくり読み返したり、最初の頃に解いていた簡単な計算問題を繰り返したりして、少しずつ自信を取り戻していったそうです。基礎を丁寧にやることで、「あ、私できるじゃん」と感じられて、自然と前向きになれたとのことです。

それからもう一つ、私も強く共感したのが「周りの人に相談すること」の大切さです。Aさんも、予備校の講師や勉強仲間、家族など、信頼できる人たちに自分の状況を素直に話していたそうです。
「今こんなことで悩んでる」「最近、ぜんぜん集中できない」と口に出してみるだけでも、気持ちが軽くなったと話していました。講師からの客観的なアドバイスをもらったり、仲間からの共感を得られることで、「もう少し頑張ってみよう」と思えたそうです。

そして最後にAさんが語ってくれた、とても印象的な言葉があります。それが「完璧を目指しすぎないこと」です。
税理士試験は、100点を取る試験ではありません。合格点をクリアすれば良いんです。
Aさんも、苦手な論点は潔く後回しにし、得意な分野で確実に点を取る戦略に切り替えたそうです。「全部を完璧に理解しようとするより、合格するために必要な力をどう身につけるかに集中することが大切」と話してくれました。


簿記論・財務諸表論の本試験直前対策と時間配分のコツ

簿記論や財務諸表論の本試験直前は、新しい知識を詰め込むよりも、これまで勉強してきた内容の総復習が効果的です。私自身も、試験直前は苦手な論点の再確認に時間を使いました。たとえば、過去問で何度も間違えた箇所を見直したり、理論の要点をノートで振り返ったりしていました。

また、当日は万全の体調で挑むことが大切です。私は前日はしっかり睡眠をとり、食事も消化にいいものを選びました。試験会場へも早めに着いて、最後の確認ができるよう余裕を持って行動しました。

試験本番では、時間配分が勝負を分けると感じました。私は、模試で時間の使い方を何度も練習しておき、解答順の優先順位を明確にしていました。まず問題全体を見渡して、解けそうなところから取りかかるのがコツです。計算問題や理論問題ごとに目安時間を決め、完璧を目指しすぎないよう意識していました。

電卓操作のスピードも見逃せないポイントです。私は普段から速く正確に打つ練習を重ね、本番でも落ち着いて対応できるようにしました。焦ったときは、深呼吸して一度ペンを置き、残り時間を冷静に確認するよう心がけていました。


思考法とメンタルコントロールが合否を左右する

試験中はとにかく冷静さが求められます。私はまず、問題文を丁寧に読むことを心がけていました。焦って読み飛ばすと、設問の意図を見落としやすくなります。

また、部分点を取りにいく意識も大切です。たとえば、財務諸表論の理論問題は、完璧な記述が難しくても、キーワードを押さえていれば得点につながることが多いです。わかる部分から確実に解いて、点を積み重ねる方が合格に近づきます。

メンタル面では、自分を励ます言葉を心の中で繰り返していました。例えば「今までやってきたから大丈夫」といったポジティブなセルフトークは、不安を和らげてくれました。パニックになりそうなときは、あえて手を止めて深呼吸。そうすることで、頭がリセットされ、冷静さを取り戻すことができました。

本番を想定した練習を繰り返しておくことで、どんな状況でも落ち着いて対応できる自信がつきます。周囲のペースに流されず、自分のリズムを守ることが合格の鍵だと思います。


同時合格後の次の一歩:税法科目へのステップアップ

簿記論と財務諸表論の同時合格は、大きな自信につながります。私も合格直後に、次の科目選びにすぐ取りかかりました。多くの受験生と同じように、私は法人税法を選びました。将来、実務で役立つ可能性が高いと感じたからです。

税法は、会計科目とは違って、条文の理解や制度の背景に時間をかける必要があります。私はまずテキストを繰り返し読み、条文の要点を覚えることに集中しました。また、計算問題も税法ならではの独特なルールがあるので、その違いを意識しながら練習を重ねました。

会計科目でうまくいった勉強法、たとえば隙間時間の活用や苦手論点の対策なども引き続き活かしていました。新しい科目に取り組むときでも、前の成功体験がベースになるので、不安よりも前向きな気持ちが強かったです。


資格取得後のキャリアは、自分次第で広がる

税理士資格を取ると、働き方の選択肢が一気に広がります。私が今、考えている進路は大きく3つあります。

まずは税理士事務所で働く道。ここでは、実際の現場で経験を積みながら、先輩から学ぶことができます。さまざまな業種のお客様と関わることで、視野も広がります。

次に、企業内税理士という選択肢もあります。企業の税務担当として、自社の申告や調査対応を行う立場です。安定した勤務環境の中で、深く一社に関われる点が魅力です。

最後に、独立開業という道です。自分のペースで働きたい方には、やりがいのある選択肢だと思います。ただし、経営者としての力も必要になるので、まずは勤務税理士として経験を積んでからが現実的です。

私自身は、いずれ中小企業や個人事業主の支援に力を入れたいと考えています。税務にとどまらず、資金計画や経営相談にも対応できる税理士を目指していきたいです。資格はゴールではなくスタート。その後の道は、自分次第でいくらでも広げていけると感じています。


まとめ


簿記論と財務諸表論の同時合格は、税理士試験における大きな節目です。私自身もこの二科目を同時に合格したことで、自信と勢いが一気に高まりました。

今回ご紹介するのは、10ヶ月・約1200時間の学習で同時合格を果たした方の体験です。時間をかけすぎず、効率よく進める姿勢にとても共感しました。

学習のポイントは、まず両科目の基礎を同時期にしっかり固めることです。特に共通する内容を横断的に学ぶことで、時間と労力を大きく節約できたそうです。

たとえば、収益・費用の考え方などは両科目に共通していて、まとめて覚えると理解が早まりました。私もこの方法で、苦手だった論点がぐっと整理されました。

計算と理論、それぞれの特性を意識した対策も効果的でした。計算は問題を繰り返す中でパターンを体にしみ込ませ、理論は要点を自分の言葉で説明できるように練習していたそうです。

特に苦手分野は、基礎に戻ることが大事です。理解があいまいなまま進めず、私は予備校の質問制度も活用しながら着実に克服しました。

仕事と勉強を両立するには、隙間時間をどう使うかがカギになります。通勤中の音声講義や、スマホの理論暗記アプリなどを上手に使うのがおすすめです。

モチベーション維持のコツは、明確な目標とちょっとしたご褒美だと感じました。私は、1週間頑張れたらカフェで好きなスイーツを食べるなど、メリハリをつけていました。

スランプに陥ったときは、思い切って誰かに相談するのも有効です。一人で抱え込まず、自分の勉強法を見直すきっかけにもなります。

本試験直前は、新しい知識より総復習を重視します。私は、過去問で間違えた部分を重点的に見直し、得点力を上げていきました。

当日は時間配分が重要です。問題全体を見て、取りやすい問題から先に解くよう心がけました。電卓操作のスピードも本番では大きな武器になります。

焦ったときは、一度深呼吸してペースを戻す練習を事前にしておくと安心です。私は模試のたびに、時間とメンタルの管理を意識していました。

この二科目を突破した後は、税法科目へ進む流れが一般的です。たとえば法人税法は、実務でも出番が多いため人気があります。

学習スタイルは、条文の暗記や制度理解が中心になります。会計科目と比べて、理論を深く読み解く力が求められます。

合格後のキャリアにはいくつかの選択肢があります。まずは税理士事務所で働き、実務経験を積む方が多いです。私も、先輩の仕事ぶりから学ぶことがたくさんありました。

また、企業で働くインハウス税理士も選択肢の一つです。安定した環境の中で、税務の専門家として活躍できます。

最終的に独立開業を目指す方も多くいます。営業力や経営スキルも求められますが、自分の裁量で働ける自由さは大きな魅力です。

私が目指しているのは、中小企業や個人事業主の支援です。税務だけでなく、経営全体の相談役になれるような存在になりたいと考えています。

税理士資格は、一生使える大きな武器です。この合格体験が、これから税理士を目指す方の背中を押せたらうれしいです。

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