税理士になるには、毎年8月に年1回実施される税理士試験で、会計科目2科目と税法科目3科目の、合計5科目に合格する必要があります。
ただ、税理士試験の1科目あたりの勉強量がとにかく多く、年間1000時間勉強しても1科目合格できるかどうかというレベルだと感じています。中には、1科目の合格に数年かかる方も少なくありません。
そのため、私のように社会人として働きながら勉強している方や、早く資格を取りたい方にとっては、税理士試験をすべて受けるのではなく、大学院を卒業することで一部の科目免除が受けられる制度を活用する方が増えているように感じます。
大学院は学費こそかかりますが、短期間で、かつ高い確率で税理士資格を目指せる手段として、この免除制度はとてもありがたいと私は思っています。実際に、今回私も大学院を探して、受験校を決めたところです。なので今回は、どんな大学院があるのか、私がどういう目的や観点で志望校を選んだのかについて話したいと思います。
大学院の入試は、一般的に10月頃と、私が受ける2月頃の年2回行われる学校が多い印象です。ただ、税理士試験の結果が11月末に出るため、そこから大学院を目指そうとすると、準備期間が2〜3ヶ月とかなり短く、私も今かなり慌ただしい状況です。
なので、もし余裕があるなら、8月の試験が終わった段階で準備を始めるか、次の9月の入試に向けて早めに動くのが良いと思います。
実際に私が大学院を探したとき、いくつかの基準を設けていました。まず一つ目は、働きながらでも通えるかどうか。大学院には、社会人向けの夜間や週末に開講するコースもあれば、大学を卒業したばかりでまだ働いていない方向けの昼間のコースもあります。
私は仕事を辞めるつもりはなかったので、平日の夜間や土日に授業がある大学院を探していました。また、実際に働きながら通うことを考えると、職場からの距離も重要になります。
通学が必要な大学院なら、職場から通いやすい場所かどうか、授業の開始時間は何時かといった点も確認しました。たとえば、授業が17時半スタートだと仕事終わりに間に合わないこともあります。1日に2コマ受けると、終了が22時近くになることもあり得るので、そこも重視していました。
授業の受けやすさという点では、通信制やオンライン制の大学院にも大きなメリットがあると感じました。今の時代らしい柔軟な学び方だと思ったので、いくつか紹介します。
おすすめ大学院
1つ目は、市立レック会計大学院です。2年間で40単位を取得するカリキュラムで、基本的には平日は1コマ、土日は最大で6コマまで受講可能なスケジュールでした。税法2科目の免除だけでなく、最短3年で税法2科目に加え、簿記論または財務諸表論のいずれか1科目の免除にも対応していて、非常に魅力的に感じました。
もう1つは、立千葉化大学大学院です。こちらも授業はすべてオンラインで完結するスタイルで、通学の必要がありません。移動時間や交通費がかからない点は、働きながら学ぶ上で大きなメリットだと感じました。
2つ目に私が大事にしていた選ぶ基準は、受験内容でした。学校によっては小論文や筆記試験が課される場合もありましたが、私は税法や国税徴収法しか勉強してこなかったため、11月末に試験結果が出てからの1〜2ヶ月で小論文の準備をするのは現実的ではないと感じていました。
どの大学院でも必要とされる研究計画書(入学後2年間でどのようなテーマで研究を進め、修士論文を書くかという計画)と面接だけで対応できる学校を選びたいと考えました。
3つ目の基準は学費です。大学院は数十万円から数百万円と費用が大きく異なるため、なるべく費用を抑えたいという思いがありました。大学院には大きく分けて3つの費用パターンがあり、私はかなり迷いました。
まず1番安いのは、いわゆる国公立大学などの法学部・経済学部がそのまま設置している大学院です。こういった大学院は対面式で、通学が必要ですが、学費も控えめで、必要な単位数も少なめの印象でした。時間と費用を抑えたい方には、もっともベーシックな選択肢だと思います。
一方で、オンライン対応の大学院はやや費用が高めになります。機材の準備や配信設備などの運営コストがかかるためと思われます。また、もうひとつのパターンは会計専門職大学院です。ここでは税理士試験の免除だけでなく、公認会計士の免除やMBA取得にも対応している場合があります。
ただし、そうした専門性の高い大学院は修了までに必要な単位数も多く、授業数が増えることで結果的に学費も高額になりやすい傾向があります。内容的にはとても魅力的なのですが、私は働きながら通うという事情もあり、あまり負担が大きすぎる大学院は難しいと感じました。
最終的には、仕事場から通いやすい場所にある通学制の大学院を選ぶことにしました。オンラインも最後まで検討していたのですが、自分の生活スタイルに合うのは対面式だと判断しました。
そうして12月上旬から中旬にかけて志望校を3校ほどに絞り、説明会に参加しながらイメージを固めました。同時に、研究計画書の作成や志望動機書、職務経歴書といった必要書類の準備も進め、年末には一通りの準備が整いました。
年明けからはさらに研究計画書をブラッシュアップしながら、本格的な受験準備に取りかかっています。試験結果が出てからの2ヶ月間で準備するのは決して無理ではありませんが、かなりタイトなので、余裕がある方は8月の試験終了後すぐに準備を始めるのがおすすめです。