相続税法って、正直どこから手をつければいいか分からない…。
計算は細かくて難しいし、理論も覚えることが多いですよね。
私自身も、働きながら勉強を進める中で、何度も心が折れそうになりました。
相続税法は、税理士試験の中でも特に実務とのつながりが強い科目です。
財産評価や特例制度など、改正が多く内容も複雑で、最初は戸惑う方も多いと思います。
でも大丈夫です。実際に合格した人も、最初はみんな同じような不安を抱えていました。
今回は、社会人として働きながら相続税法に合格したCさんに、学習の工夫や本試験の戦い方についてお話をうかがいました。
机の上の理屈ではなく、リアルな体験談だからこそ伝わるヒントがたくさんあります。
具体的な勉強法、モチベーションの保ち方、仕事との両立の工夫など、きっと明日からの学習に役立つはずです。
一緒に、相続税法という高い壁を乗り越えていきましょう。
相続税法に合格するための学習スケジュールと戦略
Cさんが学習を始めたのは、前年度の試験が終わった9月。
本試験まで約1年を見据え、早い段階でスタートを切りました。
勉強時間は約800時間。
これは相続税法合格に必要とされる一般的な時間（700〜900時間）とほぼ一致します。
限られた時間の中で効率的に勉強を進めた結果だと感じました。
学習の初期段階では、まず相続税の仕組みをざっくり把握することを重視したそうです。
特に財産の種類や評価方法、課税の流れを理解することに集中したと話してくれました。
その後、段階的に計算と理論の問題演習を増やし、アウトプットを意識した学習に移行。
通勤時間や昼休みなどのすき間時間を使い、平日は1〜2時間、休日はまとまった時間を確保していたとのことです。
仕事と勉強、どうやって両立したのか？
社会人受験生にとって、最大の課題は勉強時間の確保だと思います。
特に忙しい時期は、思うように机に向かえず焦ってしまいますよね。
Cさんも、仕事の繁忙期に苦労したそうですが、次の3つの工夫で乗り越えました。
まずは「すき間時間の徹底活用」です。
通勤中はスマホで理論の確認、昼休みは計算のミニ問題など、細かい時間も無駄にしない意識を持ったと言います。
実際、1日10分×6回でも1時間になります。積み重ねは意外と大きいです。
次に、「無理のない計画作りと調整」です。
忙しい時期はあえて計画をゆるめに設定し、最低限やるべきことに絞っていたとのこと。
計画倒れで落ち込むより、完了できる小さなタスクの積み重ねが大事です。
そして、「周囲の理解を得ること」。
家族や職場の人に勉強中であることを伝え、サポートをお願いしたと言います。
一人で抱え込まず、助けを借りることも長く続けるコツですね。
計算と理論のバランスをどう取るか？
相続税法の試験では、計算と理論の両方で点を取らなければ合格できません。
Cさんは、計算対策として「財産評価の基本ルールを理解する」ことに時間をかけました。
たとえば土地の評価や、非上場株式の評価などは独特なルールがありますよね。
Cさんは、一つひとつの評価方法を丁寧に確認し、例題を繰り返すことで感覚を掴んだそうです。
一方、理論対策では「制度の背景や意図を理解する」ことを意識。
ただ条文を暗記するのではなく、なぜその制度があるのかを調べたり、ノートにまとめたりして、記憶の定着を図りました。
また、過去問や模試を通じて、よく出るテーマや答え方のパターンを把握しておくことも大切だと感じたそうです。
苦手分野をどう克服したのか？
苦手な部分を放置してしまうと、試験本番で失点につながります。
Cさんは、「模試の復習で傾向を分析する」ことから始めました。
間違えた問題を見返し、その原因を具体的に分類します。
理解不足なのか、暗記ミスなのか、時間が足りなかったのか。
その分析をもとに、基本テキストを何度も読み直し、理解を深めていったそうです。
また、予備校の「質問制度」も積極的に活用。
一人で悩むより、すぐに講師へ聞いた方が早いですし、時間の節約にもなります。
苦手を克服するには、あきらめずに何度も取り組む粘り強さが不可欠。
さらに、本試験を想定した時間配分の練習を重ねることで、本番でも落ち着いて対応できたと話してくれました。要だということです。
モチベーション維持の壁と乗り越え方
相続税法の勉強って、やってみると本当に長丁場なんですよね。私も最初は、「この先、本当に続けられるのかな」と不安でいっぱいでした。内容が難しいだけじゃなく、コツコツと積み重ねる力が求められる科目なので、モチベーションを保つのが大変なんです。
合格したCさんも、実は何度も気持ちが折れそうになったと話してくれました。そんな中でも学習を続けられたのは、「目標を明確にすること」が大きな支えになったそうです。たとえば「来年の試験に絶対合格する」「税理士になって家族を支えたい」など、具体的なゴールを何度も思い出して、自分を奮い立たせていたとのこと。
さらに、同じ目標を持つ仲間の存在も心強かったようです。予備校で知り合った人たちと励まし合ったり、悩みを共有したりすることで、「自分だけじゃない」と感じることができたと言っていました。孤独を感じると、どうしても続けるのがつらくなるので、こうした繋がりは意外と大きな支えになります。
ちなみに、私自身も同じように、SNSで勉強仲間を探してみたり、オンラインの勉強会に参加したりして、モチベーションを保っていました。
休憩の取り方も工夫していたそうです。たとえば、2時間集中したら15分休憩を入れる。休憩中は、好きな音楽を聞いたり、外に出て軽く歩いたりと、頭を完全にオフにしていたとのことです。週に一度は「勉強しない日」も設けて、気持ちをリセットしていたそうです。こういうメリハリが、長く続けるには本当に大事だと思います。
スランプをどう乗り越えるか
勉強がうまくいかない時期って、誰にでもあると思います。私も模試で思ったより点が取れなかったとき、かなり落ち込みました。Cさんも、スランプの時期は何度かあったそうです。
そのときにまずやったのが「立ち止まって原因を探すこと」。ただ落ち込むのではなく、「どこが悪かったのか」を冷静に見直したとのことです。たとえば、難しい問題ばかりやっていて基礎が抜けていたとか、体調不良で集中できていなかったとか。原因が分かると、対策も立てやすくなります。
次に、「基本に戻る」ということも意識していたそうです。応用問題ができなくなったときは、基礎のテキストを見直して、「ああ、そういうことだったのか」と再確認するようにしていたとのこと。実際、相続税法って、難しいところも基本の延長線上にあることが多いんですよね。
そして意外と大事なのが「人に相談すること」です。Cさんは予備校の先生に質問したり、家族に話を聞いてもらったりしていたそうです。アドバイスをもらうというより、気持ちを整理するためにも話すことが効果的だったと言っていました。
あとは、「完璧を目指さない」ことも大事です。相続税法の試験は、全問正解じゃなくても合格できます。たとえば、苦手な項目があれば思いきって切り捨てて、得意な分野でしっかり点を取る方が、精神的にも安定します。
試験前の過ごし方と本番の戦い方
試験直前の過ごし方って、本当に重要です。焦って新しい知識を詰め込もうとすると、逆に不安になることもあります。Cさんは、試験前は「新しいことをやらない」と決めて、これまで勉強してきた内容の復習に集中したそうです。
特に重点を置いたのは、財産評価の基本や特例制度の確認です。過去問でよく出た問題や、自分がミスしやすいところを何度も見直していたとのこと。理論の暗記は、完璧を目指すというより「キーワードを押さえること」を意識していたようです。
体調管理も徹底していて、睡眠や食事に気を配り、試験当日はベストな状態で臨めるようにしていました。会場には余裕を持って着いて、開始前に焦らず軽く見直しをする時間も取っていたそうです。
本番で役立つ思考法と心の整え方
試験本番では、予想外の問題や計算の量に圧倒されることもあります。そんなとき、Cさんが意識していたのは「とにかく冷静でいること」でした。
たとえば問題文を読むときは、焦って先を急がず、条件を丁寧に確認していたそうです。特に相続税法の問題は、土地の図や条件の読み違いが致命傷になります。だから、焦らず一つずつ確認する力が大事になります。
解けない問題に出会ったときは、時間を決めて見切りをつけていたそうです。たとえば3分考えてダメなら次に進む。その判断ができるかどうかで、全体の得点が大きく変わってきます。
また、理論問題では「全部書けなくても大丈夫」と思うことが大切だと言っていました。大事な言葉だけでも書けば、部分点がもらえることが多いので、諦めずに書き切ることを心がけていたとのことです。
メンタルのコントロールも大切です。Cさんは、本番中に「自分はやれる」と心の中で何度も言い聞かせていたそうです。緊張して手が止まったときは、深呼吸をしてリズムを取り戻す。周囲のスピードに惑わされず、自分のペースで進めるように意識していたと話してくれました。ょう。
相続税法に合格したあとの学び方と将来の展望
相続税法に合格できたとき、私は本当に嬉しくて、思わず声を上げてしまいました。税理士試験5科目のうち1つをクリアしたという事実が、大きな自信になったからです。合格したことで、次にどの科目を受けるか、すぐに考え始めました。
次に選んだのは法人税法でした。理由は2つあります。1つ目は、実務での出番が多く、将来役立つと感じたから。2つ目は、相続税法で身につけた学び方が活かせそうだったからです。
実際、法人税法の勉強は最初かなり大変でした。相続税法とは違って、法人特有の計算ルールや用語が多く、混乱することもありました。それでも、相続税法で学んだ「隙間時間の活用」や「条文の読み込み」を続けたおかげで、徐々に慣れてきました。私は、仕事の合間や通勤中に音声教材を聞いたり、朝の30分で理論を読み直したりして、できるだけ日々のリズムに組み込むようにしています。
法人税法の勉強を通じて、税理士資格が少しずつ現実味を帯びてきたのを感じています。
税理士になった後の働き方と目指す姿
税理士の資格を取った後、どんなキャリアを築いていくかは人それぞれです。私が調べた中では、主に次の3つの道がありました。
1つ目は、税理士事務所や会計事務所で働くこと。ここでは、経験豊富な先輩のそばで学びながら、実務力をしっかりと身につけられます。特に、相続や贈与を扱う部署がある事務所では、相続税法の知識を活かしながら働くことができます。
2つ目は、企業の中で税理士として働く、いわゆる「インハウス税理士」です。この働き方は、安定した給料や福利厚生を得ながら、会社の税務戦略に深く関わることができます。税務調査の対応や、決算時のサポートなど、実務の幅も広いです。
そして3つ目が、独立開業です。自分の事務所を持ち、自分のペースで仕事を進められるのが魅力ですが、営業や経営の知識も求められます。私自身も、将来的には独立を目指していて、今はその準備期間だと考えています。
最近は、相続税や資産税に特化した税理士のニーズがとても高まっています。特に高齢化が進む中で、相続や事業承継のサポートを求める人が増えているからです。だからこそ、相続税法の知識を武器に、地域の方々の力になれたらと思っています。
相続税法合格までの道のりと学びのヒント
ここまで読んでくださった方に、最後に伝えたいことがあります。それは、相続税法の勉強にはコツがあるということです。
私が意識したのは、「財産評価を正確に理解すること」と「理論の意味を考えながら覚えること」です。数字だけ追っても身につかないと感じたので、なぜその制度があるのか、背景も調べるようにしました。
また、苦手な分野には早めに取り組み、予備校の先生にもどんどん質問しました。壁にぶつかったときは、一度基本に戻ることで理解が深まりました。たとえば、どうしても分からない項目は、教科書の最初の解説に戻るだけで、意外とスッと腑に落ちることが多かったです。
仕事と勉強の両立は確かに大変です。でも、通勤時間に理論を音読したり、昼休みに計算問題を1問解いたりと、細かい時間を集めていけば、合格ラインに届くと思います。
相続税法の合格はゴールではありませんが、大きな一歩です。次の科目へ、そしてその先の税理士としての未来へ。この記事が、今まさに挑戦しているあなたの背中を、少しでも押せたら嬉しいです。
