正直なところ、私も最初は不安でした。「税理士試験って、そんなに難しいの?」「本当に合格できるのかな…?」と。実際、税理士試験は国家資格の中でも特にハードルが高く、合格率が10〜15%ほどと非常に低い水準です。
でも、その数字だけを見て諦めるのは、ちょっともったいないかもしれません。なぜなら、その合格率の裏には、受験制度や学習環境にまつわる理由があるからです。この記事では、その背景と、どうすれば乗り越えられるのかを具体的にお話しします。
科目合格制がもたらす合格率の低さ
税理士試験は、一度に5科目すべてに合格しなくてもいい「科目合格制」が特徴です。合格した科目は一生有効なので、数年かけて合格を目指せるのはメリットだと私も感じました。
ただしこの制度、逆に言えば「合格していない人も何度も受験できる」構造なんですよね。つまり、毎年の受験者の中には、まだ実力が足りていない人も多く含まれます。その結果、合格率は常に低く保たれる傾向にあるんです。
また、5科目のバランスをどう取るかが難しいところ。特に税法科目は法律が改正されやすいので、最新情報に追いつき続けるのも一苦労です。
学ぶ範囲が広すぎるという現実
試験範囲の広さには、私も正直圧倒されました。簿記論や財務諸表論などの会計科目に加えて、法人税や消費税といった税法科目を網羅的に学ばなければなりません。
計算問題では細かい数字の処理が求められますし、理論問題では法律の考え方を自分の言葉で説明する力が必要です。しかも、ただ暗記すればいいという話ではなく、条文の背景や実務での運用まで理解していないと、なかなか対応できません。
さらに、出題形式も独特です。問題のボリュームが多く、時間内に正確に処理する力も問われます。私は最初、この時間配分で本当に苦労しました。
思考力・記述力が問われる試験の本質
税理士試験は、知識を覚えて終わりではありません。特に理論問題では、自分の言葉で「なぜそうなるのか」を説明する力が求められます。私も最初は、「ただ覚えればいい」と思っていましたが、それだけでは全然通用しませんでした。
ある年の問題では、税法の条文の一部を活用しながら、具体的な事例に対する処理方針を記述する必要がありました。これ、ちょっとした実務体験のようなもので、税理士として働く準備がすでに試験段階から始まっていると感じました。
継続が一番の壁。モチベーション維持の難しさ
私が一番苦しかったのは、「続けること」でした。税理士試験は平均で3〜5年かかる長期戦。社会人をしながらだったり、家庭と両立しながらだったりと、環境は人それぞれですよね。
特に仕事が忙しい時期や、結果が出ない時期は本当にくじけそうになります。私も一時期は学習から離れたことがありました。学習仲間がいたことで、また戻ってこられたように思います。
独学で挑戦する人にとっては、孤独との戦いも大きなハードル。周りに同じ目標を持つ人がいないと、ちょっとした疑問が解決できずに停滞することもあります。だからこそ、モチベーションを保つための工夫がすごく大切だと実感しました。
合格率の低さに怯える必要はない
合格率が低いのは事実ですが、原因を理解して、対策を立てれば、決して不可能ではありません。私も不安だらけでしたが、正しい戦略と継続力で、少しずつ手ごたえを感じるようになりました。
まずは、試験の特性を正しく知ること。そして、自分に合った学習法やスケジュールを見つけること。もし途中で心が折れそうになっても、「なぜ税理士を目指すのか」を忘れないことが、突破のカギになるはずです。
低い合格率を乗り越えるための対策と秘訣
学習計画と振り返りの工夫で着実に前進
税理士試験は長期戦です。私自身、勉強を続けていて何度も迷いました。そのたびに助けになったのが、しっかりとした学習計画と、定期的な振り返りでした。
まずは年間→月間→週間と、段階的にスケジュールを立てていくのがおすすめです。たとえば、1年目は簿記論と財務諸表論、2年目は法人税法と消費税法、といった具合に、1年ごとの目標を明確にします。
週単位では、「火曜は仕事後に1時間、日曜は模試を解く時間に」など、自分の生活に合わせて細かく計画してみてください。無理のない内容にするのが続けるコツです。
計画したら、それを実行して終わりではありません。週に1度、できれば土日のどちらかで「今週どうだったか?」を振り返る時間を取りましょう。進みが遅れたときは、「なぜ?」を自分に問いかけてみてください。私の場合、眠い日は集中力が下がっていたので、朝に勉強するよう変えたこともあります。
このように、計画→実行→振り返り→改善のサイクルを繰り返すことで、勉強に無駄がなくなっていきます。この地道な積み重ねが、最終的に大きな差になります。
効率重視なら、予備校や通信講座の活用を
独学で頑張っている方も多いと思います。実は私も最初は独学派でした。でも、法律や制度の内容がどんどん変わるので、情報を追うのがかなり大変でした。
そんなとき、思い切って通信講座を利用してみたら、自分の勉強効率がグンと上がったんです。専門の先生がポイントを絞って説明してくれるし、教材も最新の情報に対応しているから安心感がありました。
そして大事なのが「質問する力」です。分からないところをそのままにしていると、あとで大きなつまずきになります。例えば、法人税の仕訳で混乱したとき、すぐに講師にメールで質問できたのが本当に助かりました。
質問するときは、「何がどう分からないか」を具体的に伝える練習にもなります。これは試験だけでなく、実務でも役立つスキルです。
予備校や通信講座はお金はかかりますが、「正しい情報に短時間でアクセスできる」という点では、かなり価値があります。特に仕事と両立している方には、強い味方になるはずです。
勉強を続ける気力はどうやって保つ?
正直な話、モチベーションを保つのが一番難しかったです。私も何度も「もうやめたい」と思いました。でも、いくつかの工夫をしたことで乗り越えられました。
まず、自分が「なぜ税理士になりたいのか」を明確にすること。将来どんな仕事をしたいか、誰の役に立ちたいかなど、目的を紙に書いて部屋に貼っていました。
次に、小さな目標をこまめに立てること。「今週中に理論問題を10問解く」「この週末は過去問を1年分やる」など、すぐに達成できることを設定し、終わったら自分を褒めてあげていました。たまにはスイーツをご褒美にしたりして(笑)
また、一人で勉強していると孤独感が出てくるので、SNSで勉強仲間を見つけたり、オンライン自習室を使ったりもしていました。同じ目標を持っている人がいるだけで、けっこう元気が出ます。
週に1回は完全にオフの日を作ることもおすすめです。私は土曜の夜だけは一切勉強しないと決めて、映画を観たり友人と話したりしていました。気分転換できると、月曜からまた頑張れるんですよね。
よくある質問(FAQ)
Q1: なぜ税理士試験は科目合格制なのに合格率が低いのですか?
A1: 科目ごとに受験できる制度のため、毎年「あと一歩」の受験者が多く残ります。そのため、全体の合格率は見かけよりも低くなりがちです。また、税理士としての質を保つために、試験自体が難しく設計されているのも理由の一つです。
Q2: 理論問題って、暗記だけじゃダメなんですか?
A2: はい、暗記だけでは対応できません。例えば、「なぜこの税制があるのか」といった背景理解がないと、応用問題でつまずきます。私も、最初は条文を丸暗記していましたが、それだけでは点が取れないと気づきました。キーワードを正確に覚えつつ、それを使って自分の言葉で説明できる練習が必要です。
Q3: 仕事をしながら勉強を続けるコツはありますか?
A3: まず「完璧を目指さない」ことです。すべてを完璧に理解しようとすると、疲れてしまいます。私は、平日は短時間でも集中し、休日に時間をまとめて勉強するスタイルに変えてから、継続できるようになりました。
スキマ時間の活用も大切です。通勤中に理論を音読したり、昼休みに1問だけ問題を解くなど、小さな積み重ねが合格に近づけてくれます。
それから、周りの人に自分が試験に挑戦していることを伝えることも大事です。理解や協力を得られると、心が軽くなります。私は家族に応援されることで、何度も救われました。
まとめ
税理士試験の合格率が低いのは、単に難しいからではありません。私自身、勉強を始めたときに感じたのは、試験の仕組みそのものがハードルを上げているということでした。
この試験は科目ごとに受けられる制度ですが、逆に言えば何年も同じ科目に挑み続ける人が多く、受験者の中に「まだ合格に届かない層」がずっと残りやすいんです。だから合格率が10%前後という低さになっているのだと思います。
それに、出題される内容もかなり広くて深いです。会計の基本に加えて、税法の細かい規定も覚えなきゃいけません。単純に暗記するだけでは対応できず、応用力や判断力も必要になってきます。
実際、理論問題では「どう書くか」だけでなく、「なぜそうなるのか」という背景まで問われます。そこが分かっていないと、問題の意図にうまく答えられません。
さらに、受験期間が長くなる人が多いため、途中で心が折れてしまう方も珍しくありません。私も正直、何度もモチベーションが下がって挫けそうになりました。仕事や家庭と両立している方は、なおさら大変だと思います。
ただ、合格している人たちに共通しているのは「計画的に勉強していること」と「途中で諦めなかったこと」なんです。
たとえば、1年目は簿記と財務を集中して学び、2年目以降に税法系の科目を進めるなど、段階的に進めることで負担を分散できます。私もこの方法で勉強を続け、少しずつ力をつけました。
予備校や通信講座を活用するのも効果的です。最近では動画や質問機能が充実していて、疑問をすぐに解消できるのが魅力です。
もちろん、それでも簡単な試験ではありません。でも、仕組みや特徴を理解して、正しいやり方で努力すれば、突破は不可能ではないと思います。
私も含め、多くの人がこの試験に挑んでいます。合格までの道のりは決して楽ではありませんが、着実に進んでいけば、必ず道は開けます。諦めずに前へ進みましょう。